『グリーン投資戦略ハンドブック』とは
今回は、『グリーン投資戦略ハンドブック』の内容を一部、紹介します。
原文は、Will Oulton氏の『Investment Opportunities for a Low-Carbon World』です。
本WEBについても、社会的インパクト投資について様々なプレイヤーや、社会的インパクトを意図した企業の取り組みについて紹介してきました。
社会的インパクト投資の定義についても様々な観点で紹介してきましたが、SRI(社会的責任投資)の一分野であるという見方もあります。
SRI(社会的責任投資)において、環境分野への投資は、金融商品の中では、第三世代SRI(社会的責任投資)とも呼ばれ、1900年代から盛り上がりをみせ、現在では、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等々様々な分野の事業が既に市民権を得ている状況です。
書籍の中では、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス、ヒートポンプや森林管理に至るまで、環境領域において、投資という観点で整理されています。
代表的な環境・グリーンテクノロジー指数とは
例えばどこかの国の経済や景気等を調べるには様々な方法があります。その中の一つに、物価や株式等の指数をみてみるという方法があります。
それでは、環境やグリーンテクノロジーの状況を見るために一般的に参照される指数はなんなのでしょうか?
その一つが、インパクトアセットマネジメントが1999年から開始している、「環境テクノロジー50指数」通称、「ET50」です。
この指数は事業の半分以上が環境技術開発・設置で締める世界上位50企業で構成される指数で、以下の3分類に定義しています。
⑴代替エネルギーとエネルギー効率化⑵水処理技術と郊外防止⑶廃棄物処理と資源管理
もう一つが、2004年に米国からスタートした「ワイルダーヒルクリーンエナジー指数」通称「ECO」です。
「ET50」と「ワイルダーヒルクリーンエナジー指数」はこのグリーン投資の時代を先取り作られたもので、グリーン投資の中で中心的な指数として機能しています。
※その他様々な指数がありますが、どれも2006年以降に作られたものです。
気候変動債、グリーン債権とその発行内訳とは
気候変動債、グリーン債権とは、排出量を削減するプロジェクトや気候変動対策プロジェクト向けの資金調達を目的とした金融商品です。
2011年時点で、気候変動債、グリーン債権単体でみると、1兆2000億円を超える市場規模となっています。
その内訳は以下となっています。主に、これらのアクターが中心に、気候変動債、グリーン債権を盛り上げてきたと思料されます。
・世界銀行:19%
・欧州投資銀行:16%
・その他金融機関:12%
・米国クリーン再生可能エネルギー債:18%
・その他政府:5%
・その他関連領域:30パーセント
環境・グリーン領域の投資の歴史は、どのような形でパフォーマンスを測定するのか、どういった形で投資規模を拡大するのかという事例をみる上で非常に参考になります。
インパクト投資やESG投資に興味を持たれてる方は、グリーン投資の歴史などについても参考になる点があるかもしれません。
今回は、『グリーン投資戦略ハンドブック』の内容を一部、紹介しました。
引き続き、社会的インパクトを意図した活動や関連領域について紹介していきます。