GRIスタンダードとは
今回は、サステナビリティレポートなどで活用されている企業も多い、GRIスタンダードについて紹介します。
「GRIスタンダード」とは、サステナビリティ報告書など、企業や組織が経済、環境、社会に与えるインパクトを報告する際に使用することを目的に設計された基準のことです。
G4からスタンダードへの変更がありました。英語版を原本として、日本語がGRIの翻訳版として世界で最も早く作成されたのは注目に値します。
日本語版は下記からダウンロード可能となっています。是非、チェックしてみてください。
まず、GRIスタンダードの全体像として、下記の構造になっています。
共通スタンダード:すべての組織に適用される基準
GRI 101:GRIスタンダードを使用するための出発点
GRI 101:組織に関する背景情報の報告
GRI 103:マテリアルな項目に関するマネジメント手法の報告
項目別スタンダード:組織ごとに特定した項目を選択して報告
GRI 200:経済
GRI 300:環境
GRI 400:社会
用語の変更点(G4からスタンダードへ)
使われていた用語についても変更がありました。
indicator(指標)という用語は、disclosure(開示)へ
Aspect(側面)という用語は、topic(項目)へ
GRIスタンダードでの用語の定義
また、GRIで使われている言葉の定義なども紹介します。
【インパクト】:GRIスタンダードにおいて、特に明記しない限り「インパクト」とは、経済、環境、社会に対して組織が与える作用をいう。同様に、持続可能な発展に対する組織の(プラスまたはマイナスの)寄与を指す場合がある。
【項目(topic)】:経済、社会、環境に関係する主題
項目の該当範囲(topic Boundary):特定のマテリアルな項目についてインパクトが生じる範囲の記述、およびそれらのインパクトに対する組織の関与
【デューデリジェンス(due diligence)】:組織が及ぼす顕在的および潜在的なマイナスのインパクトについて、これを識別、防止、軽減し、対処に責任を負うプロセスをいう
→「多国籍企業行動指針」などもそうですが、ここの定義は議論を呼ぶのではないかと思料します。
【マテリアルな項目(material topic)】:報告組織が経済、環境、社会に与える著しいインパクトを反映する項目、またはステークホルダーの評価や意思決定に対して実施的な影響を及ぼす項目
【ステークホルダー(stakeholder)】:組織の活動、製品およびサービスから著しい影響を受けると合理的に考えられる組織または個人や、その行動が当該そしてきの戦略実践および目的達成能力に影響を与えると合理的に考えられる事業体または個人のことをいう
【マネジメント手法の開示(management approach disclosure)】:組織が自らのマテリアルな項目とそれに関連するインパクトをどのようにマネジメントしているかについての記述説明
サステナビリティレポートなどをGRI基準で発表している企業は多く、今後、企業のSDGsの観点との紐付けなどの動きの中で、今回のGRIスタンダードへの変更内容について紹介しました。
引き続き、関連事項について紹介していきます。
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