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執筆者の写真Social Impact Act

あえて「敵をデザイン」するという経営戦略~価値観戦略~

いかに会社を成長させるか?という問いは、経営者がよく考える問いの一つではないでしょうか? 弊社も企業の成長戦略などを考えることを仕事としているため、通常の方よりは同様の問いを考える機会は多いかもしれません。 成長戦略や経営戦略、「戦略」という漢字を見ると、「戦いを略す」と書くわけです。 この漢字を見ると、日本ではいわゆる、ブルーオーシャン戦略などがよく流行る理由が頷ける気もします。


「戦いを略す」には、敵がいなければ理想じゃん!という単純な発想です


実際には、ブルーオーシャン戦略における過去調査や追跡調査などは様々な論文でも発表されていますが、例えば ・ブルーオーシャンな(敵がいない)理由としてそもそもニーズ(市場)がない場合がある ・初期で参入するため、認知コストなどを負担しなくてはいけない ・仮に成功すると分かった段階で、他社参入で結果レッドオーシャンになる などがあり、ブルーオーシャン戦略が成功要因の一つとなることもあるが、当然万能な戦略ではありません

逆張りではないのですが、あえて、「共通の敵をデザイン」するという経営戦略もあるので参考までに紹介します 経営を、ヒト・モノ・カネで分解することがよくありますが、ヒトから始まるように、一番重要なのはヒト。別の言い方をすれば「誰がそのビジネスを実施するか?」ということとも言えます。 残念ながら、ある部署やある会社が一致団結する時が、わりと「共通の敵」が見つかった時ということあったりしないでしょうか。。地球から戦争がなくなるのは、地球外に敵を見つけた時だというようなことをいう人もいますね。


企業経営でも ・ソフトバンクなどは、特に初期のころ明確にNTTを敵としてデザインしていた(ように見える) ・Appleであればマイクロソフト(や、古い慣習や創造性を制限する仕組み) ・テスラでいえば、化石燃料古いエネルギーシステム など


ポイントなのは、「共通の敵をデザイン」する時も、スキルやセンスが求められます。 例えば、同じ部署のあの人や、次期社長候補どうしなどは、いわゆるつまらない社内分断を生むだけです そうではなく、例えば、「共通の敵」を「特定の社会課題」や「価値観」などに設定することで、そこに共感を得た仲間や、顧客を獲得していく、という戦略となります 現在、人手不足やAIの発展などからも、単に給与を貰うために働くでなく、「働く理由や意義を提供できる会社」、単に生きていくため購入する製品やサービスではなく、「買う目的や意味」を創り出せる会社が成長していくように思います


例えば、中長期の成長戦略を検討している際などに、議論が停滞したり、将来の道筋が見えてこなくなったときに、違った角度として、「我々の共通の敵や価値観はなにか?」を検討してみることで、将来の方向性や戦略が見えてくることもあるかもしれませんので、参考にしてみて貰えればと思います

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