インパクト評価について
SIAでも、インパクト評価については、今までも紹介してきました。
編集長は関わっていませんが、日本においても、社会的インパクト評価イニシアチブという取り組みなども、生まれているようです。
興味をお持ちの方は、是非、そちらにもアクセスしてみてください。
インパクト評価というのを金融の文脈でみていくと、SRI(社会的責任投資)や、ESG投資、インパクト投資など、アダムスミスの「神の見えざる手」と対比した、「神の見えざる心」などの、金融市場経済の金銭的価値だけでなく、それ以外の「インパクト」をどう測定するかという文脈で解釈することもできます。(既に、実務レベルでも様々な議論がなされてきたと認識しています)
インパクト投資などについては海外の機関の一覧化、「社会的インパクトを重視している人は何を重視しているのか?」「マイクロファイナンスからインパクトインベストメント、そして次へ」などで幾度となく紹介してきましたが、まず、社会的インパクトを重視する人の中にも「形式主義」と「実質主義」の人いるということ。
「実質主義」の人を巻き込むためには、どういう目的や意図かの投資ではなく「エビデンス」が重要であり、それがないと投資(購入)がなされないということなどを紹介しました。
ただ、「実質主義」のなかでも、より厳密な自由主義的な考えを持つ投資家では、インパクト評価自体がコストがかかるのだから、例え、「エビデンス」があっても、投資を行わないという考えの投資家もいるかと思われます。
この点は、まさに、インパクト投資などが、リバタリアン(自由主義的)な対比としての概念としてみればリバタリアンには刺さりにくいのは、いわば当然なのですが、いずれにしても、いかに、インパクト評価の「正確性」と同時に、測定コストを削減する「シンプル」さや「手軽さ」は重要で、その観点が欠落すると、インパクト評価のためのインパクト評価となる懸念があります。
今回は、インパクト評価について、海外にどのような測定ツールが誕生しているのか紹介します。
IMPLAM(アメリカ)の事例
IMPLAMは、OECDなどのマクロデータなどを参考にして、実施された取り組みに対する成果を経済的価値に再計算し、レポートまで出力してくれるサービスを提供しています。
インパクト評価についても、正確性と手軽さはトレードオフの部分もあり、手軽さや外部コストの削減に重きを置いたツールとなっています。海外の文献では数多く紹介され出しており、米国テクノロジーカンファレンスなどにも登場するなど注目が集まっています。
Social Solution(アメリカ)の事例
Social Solutionは、より原始的に、インパクト評価のもととなるデータをどのように管理しますか?という問いです。
まさに、エクセルなどでの管理ということになれば、当然、インパクト評価に特化したサービスではないことは明確で、利用者毎にカスタマイズして、インパクト評価を行うとなると、社会的なコストは大きくなることが懸念され、データ管理のソリューション展開を画策しています。
今回は、インパクト評価における海外の事例を紹介しました。その他の取り組みについても折をみて紹介します。
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