ESG情報と投資家
企業や団体がCSRレポートや、統合報告書、サステイナビリティーレポートなどを発行する目的の一つに、投資家向けの情報発信という側面があります。
昨今では、企業が取り組むべき重要課題:マテリアリティなどにSDGsの観点を組み入れる企業も増加していますが、投資家向け情報プラットフォームとして世界最大規模を誇る、トムソン・ロイターは、アナリスト向けに「Insight360 SASB Edition」を発表しました。
SASBは米国サステナビリティ会計基準審議会の略で、このソリューションは、SASBのマテリアリティ特定フレームワークに基づく分析を行うものとなっています。
投資家向けの情報も、かつては、属人的に人の手による収集作業を行なっていましたが、ネットや新聞、シンクタンク、評価機関などのデータは、自動的にクローリングし、人工知能によるリアルタイムの分析が実施されることは”一般的”となって来ています。
SDGsに関するコミットメントや企業と取り組みと企業価値の関係性については、一定の分析作業や企業や団体の取り組みの定点観測などを行なっていますが、ESG投資については、IR担当者からも、「G:ガバナンス」の部分しか質問されたことはないという声はよく聞きます。
ただ、社会的投資ファーラムの社会的投資アナリストネットワーク(SIRAN)なども、投資判断の際に「企業の発行する報告書を第1に参照する」また、そこから読み取れない、もしくは更に知りたい情報は「質問票や直接ヒアリング等の手法を行う」としており。
トムソン・ロイターが投資家向けソリューションに、ESG情報を提供するソリューションを発表するということが、少なくともトムソン・ロイターは投資家からそうした情報に対するニーズがあると、要望を受けていることの裏返しとみることもできるのではないかと思料します。
ESG情報などのトピックについても、引き続き、紹介していきます。
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