ソーシャルビジネスの留意点
今回は、「サステイナブル・カンパニー入門」という書籍の内容を抜粋して紹介します。
企業活動において、単に経済的利益だけでなく、社会的インパクトや社会的課題の解決を意図した取り組みを行う「ソーシャルビジネス」を展開する事例が増えてきました。
ソーシャルビジネスを担う組織形態は多様ですが、一般的に二つの制約があると本書では指摘しています。
・市場の制約:市場が小さい場合や、商品サービスの対価が得られたい場合がある(例えば、障害者や貧困層、ホームレス向けのサービスの場合、直接それらの人々から対価が得られない場合があります)
・経営の制約:コストが高い場合(例えばフェアトレードなどの場合、低価格大量生産という性質のものではないため)また、リソースが不足するケースがある(多くの人々や機関に認知されていないために、資金や労働力などが不足している)
ソーシャルビジネスの成功のポイント
これらの制約をを克服するために、「参加のシステム」「企業家チーム」「組織ポートフォリオ」の三つの構築がポイントになると本書では提唱しています。
「参加のシステム」として、ソーシャルビジネスの顧客やステークホルダーとしては、「市民」→「消費者」→「ファン」→「ロイヤルカスタマー」→「解決主体」といった階段を進んでもらうための設計が重要になってきます。
また「企業家チーム」も、異なるマインドセットや経験を持った複数の経営者によって組織を経営するが重要と指摘しています。
そして、「組織ポートフォリオ」も単一のものではなく、異なる異質な形態の組織の組み合わせ(企業がNPOを設立したり、その逆など)も有効に働くケースがあると言います。
最後に、サステイナブルカンパニーに共通する経営スタイルとしては、以下の設計がポイントになると指摘しています。
・経営哲学
・異質なものをつむぐ経営
・マルチステイクホルダーへの配慮
・競争戦略を意図しない
・プラットフォームの提供
ソーシャルビジネスやサステイナブルカンパニーに関心をお持ちの方は是非、原文に当たってみてください。
引き続き、関連トピックについて紹介していきます。
参考書籍
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